どうも、丸田です。
このシリーズは専門的な数学を扱って参ります。
記念すべき1回目は、「実数論」です。
実数論とは、その名の通り、実数(数字)の論理を構築する学問です。
どれだけ数学を学ぼうと思っても、そもそも「数とは何か?」「四則演算とは何か?」などをまずは振り返ってみることが大切だと思っています。
これから実数論について解説していきます。
実数論の公理を考えて参りましょう。
※実数論の構築には、集合論の知識が多少使われておりますが、その都度、集合論も解説していきます。
実数論の公理
まずは今ある数学のイメージや知識を捨て去って、無から数学を構築すると考えていきます。
Rは集合である
まず、「R」を定めたのですが、これはただのアルファベットです。
その「R」に「集合」という役割を与えたのが、公理1の主張です。
ちなみに、集合とは何か?定義します。
集合とは、厳密に判断できるものの集まりである
集合とは、ものの集まりです。
しかし、その「もの」というのは厳密に判断できるものでなければなりません。
抽象度が高いので、例を挙げますね。
例えば、福岡県民の集まりだとしましょう。すると福岡県民の人たちがたくさんいるわけですよね。
その福岡県民の定義を「住民票が福岡にある」とすれば、それは福岡県民の集合として考えることができるのです。
逆に、住民票が福岡県外にある人、たまたま福岡に旅行にきている人はこの集合に入ることはできません。
これが集合というものです。
逆に集合になりえないものとしては、「美味しい食べ物」の集まり。
これは集合になりえません。
なぜなら、「美味しい」を厳密に定めることができないからです。
例えばラーメンは自分はおいしいと思っても、もしかしたら誰か嫌いな人がいるかもしれません。
つまり主観に依存するものは、厳密に判断できないため集合として集められるものとして認められないのです。
これを回避する方法があるとすれば、食べログで星4.5以上を獲得している食べ物とすれば、これは厳密に判断できるので集合のものとして扱えます。
よって「食べログで星4.5以上を獲得している食べ物の集合」は成り立つのです。
集合は、現代数学の全ての基礎となっているので、集合はこの先何度も登場する概念です。
集合についてはこちらの動画でも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ここまでで「R」と集合を定めました。そして次の定義を定めます。
Rの元を「実数」という
元とは、もののことです。
つまり、Rにものが含まれているなら、そのものはRの「元」といい、それを「実数」ともいうわけです。
ちなみに、集合論においても集合に含まれるものを元と呼ぶのですが、この「R」に関しては「実数」という特別な呼び方があることを意味します。
ちなみに、3がRの元であることを3∈\(\mathbb{R}\)と表現します。
まとめ
ということで、今回のまとめです。
- Rは集合である
- 集合とは、厳密に判断できるものの集まりである
- Rの元を実数という
以上となります。
最初は非常に地味ですが、コツコツと少しずつ実数論を積み上げていきます。