差別社会をクレイジーに生き抜いた!フランスの数学聖女ソフィー・ジェルマンの生涯

ソフィージェルマンについて

どうも丸田です。

今回は1700年代に活躍したフランスの女性数学者ソフィー・ジェルマンをご紹介します。

ソフィー・ジェルマンは数学史でも数少ない女性数学者です。

そんな彼女の一言で言えば、【差別社会をクレイジーに生き抜いた数学の聖女】でしょうか。

容姿淡麗、貴族出身、なのにあえて時代を逆行するという、ぶっ飛んだ女性数学者ですw

しかも彼女の奮闘の歴史がこれまた面白いw

彼女の平凡で退屈にはずだった人生は、数学との出会いで切り開かれたと言っても過言ではないでしょう。

ということで、今回は激動の時代を駆け抜けた数学の聖女ソフィー・ジェルマンの生涯をご紹介します。

目次

ソフィー・ジェルマンの生涯

ソフィージェルマン

退屈な日々にさした一筋の光

舞台は1776年のフランス。
ソフィー・ジェルマンはパリの裕福な商人の家庭に生まれました。

貴族で高貴、贅沢な日常。そして、人並み以上に教養を身につけられる身分という。

まさに何不自由のない生活を送っていた日々でした。


おまけで美人という文句なしの人生。

普通なら、

上級貴族のハンサムでお金持ちな人と社交会で知り合って〜、そのまま結婚して家庭に身を納めて〜、何の不自由さもなく生涯を終える。人生バラ色!ひゃっほーーい!!

薔薇色の人生

まさに貴族エリートの生涯を送っていくはず、でした。。。

しかし、そんな彼女の人生は、父親の書斎で見つけた1冊の本によって大きく変えられたのでした。

その本は「数学史」という本。
数学の歴史が記された本なのですが、そこに記されていたアルキメデスの生涯にソフィーは衝撃を受けます。


アルキメデスといえば、紀元前300年頃に活躍した、数学者・科学者・物理学者です。
様々な武器を作ったり、王冠偽物事件を解決するなど、武器製造から名探偵ばりの活躍をしていましたが、最後は計算している間に兵士に槍で突かれてしまうという。

生涯の幕を閉じるその瞬間まで数学をし続けたという伝説の人物です。


ソフィーはアルキメデスの生涯にインスパイアされたのです。

「え?数学って死ぬことすらも忘れさせてくれるの?」

そしてソフィーはさらに言いました。

数学ってきっと素晴らしい学問に違いないわ!」

みたいな感じで、急に数学者を志すようになったのでした。


彼女の普通に生きていくはずだった人生に、数学という一筋の光がさしたというわけですね。

こうしてソフィーは独学で数学を学び始めるのでした。

時代に抗って数学を学びまくる!

しかし、ソフィーが数学を学ぶには実は思いをよらない困難がありました。

それは当時の女性差別がヒドいということでした。

というのも、当時は女性が科学を学ぶことはNGであり、特に数学なんてもっての他だ!というような、女性差別の激しい時代でした。

そのため、ソフィーが数学を学ぶことに両親は大反対。

ソフィーは負けじと勉強しようとしますが、親も必死で止めてくるのです!

ついには「そんなもの勉強するでない!」とロウソクを没収されてしまったのでした。

さて、手元を照らす明かりを失ったソフィー、どうする!?

なんとソフィーは自分用にロウソクを隠し持っていたのでした笑
そのロウソクを使って、数学を学び続けたのですね〜。

数学への執念が凄すぎるw

ソフィーの異常なまでの数学への執念に、ついに親は折れてしまいました。

自由に数学を勉強する権利を手に入れたソフィーは「もっと数学の世界を知ってみたい!」と思いを抱き始めます。

ソフィーは決意しました。

私!学校へ行く!そこで数学を学ぶの!

偽名を使って、学校へ潜入!

しかし!!

そんなソフィーの前に更なる壁が立ち塞がりました。

それが学校に入学できるのが、男性のみだったのです。

差別がエグい…!

そもそも、当時は女性が学問の場に参加することは困難でした。

しかし、ソフィーの数学への情熱の炎が消えることはありませんでした。

そこで、ソフィーがとった行動が、、、

なんと「偽名を使って学校に入学する」というエグいチート行動に出たのですw

いやいや、バレるやろww

と思うかもしれませんが、彼女の戦法がとても賢くて!

新しく偽名を使って入学するのではなく、なんとすでに在学中でかつ、しばらく学校に来ていない学生の名前を使ったのでした。

そのため、学校の先生からしても「お〜!久しぶりに来たんだね!」みたいな感じだったので、ソフィーはあまり違和感なく学校に入れたそうです。

天才とバカは紙一重です。

ちなみに使った偽名は「アントワーヌ・オーギュスタン・ルブラン」。

師匠との出会い

ソフィーの偽名を使った快適なスクールライフは順調でした。

しかし、結果的にソフィーの正体がバレてしまうことになります。

その理由は「ソフィーの頭が良すぎたこと」にありました笑

天才的頭脳でうまくいったのに、その天才性がゆえにバレるのはなんとも皮肉ですな〜w

当時、講義を担当していた1人が有名な数学者ラグランジュでした。

ラグランジュは回収する授業のノートで、1人だけ異質に天才的な才能を見出します。

それがルブラン(本当はソフィー)でした。

「このルブラン。久しく学校来てないと思ったらめっちゃ天才なってるやんけ〜w」みたいな感じでテンション上がったそうです。

そして、「ルブランすげーじゃん!きみぃ!放課後、職員室来なさい!おしゃべりしましょー!!」

こうして、ソフィーはラグランジュから呼び出しをうけました。

そして、とうとう女性であることがバレてしまったのでした

「いやぁ、これは退学になって、両親ともども謝罪だろうな〜」と思いきや。

なんとラグランジュは非常に優秀で若い数学者としてソフィーを歓迎してくれたのでした。

ソフィー感無量。

人生ではじめて自分の正体を偽ることなく、本音で数学を語り合える師匠と出会えたのでした。

数論の道へ進み、数学の王者と戯れる

ソフィーはこれまで数学の問題を解決することに専念していましたが、徐々に未開領域への研究に着手するようになりました。

特に彼女が関心を持ったのが「数論」でした。

彼女は数字の持つ性質や整数の理論を開拓していきました。

その流れで、自然と300年以上も解決されなかった数学の難問「フェルマーの最終定理」と出会います。

数年にわたって、ソフィーは数論の研究し続け、なんと超難問のフェルマーの最終定理の解明に大きく前進する革新的な数学理論を構築したのでした!

これはまさに快挙!!
ソフィーの革新的なアイデアはその後、2人の数学者に引き継がれ、フェルマーの最終定理のn=5とn=7のケースを解決するに至ったのでした。

ソフィーは自分の理論をどうすれば世に広められるか考えました。

そして思いついたアイデアは、数論研究の最高峰でかつ、数学の王者と呼ばれたガウスに手紙を送ることでした。

つまり、インフルエンサーに紹介してもらえれば認知度が上がるように、ソフィーは当時の絶大な影響力を持ったいわば、インフルエンサーであったガウスに自身の理論を紹介してくれるようにお願いしようと思ったわけです。

こうして、ソフィーと数学の王者ガウスとの文通が始まりました。

最初はソフィーは男性であると偽って、ガウスと文通をしていましたが、途中でソフィーは女性であることがバレてしまいました笑

それでもガウスは変わらずソフィーと関わってくれたのでした。

むしろガウスは、ソフィーとは一生涯にわたって友人として関わってくれることを約束してくれたのです。

きっとソフィーは天にも昇る気持ちだったのではないかと思われます。

一瞬で数学の道を退いた晩年

しかし、突然としてソフィーは数学の研究をキッパリやめてしまいました。

え!?何があったんだ!?と思うでしょう。


理由は、、、ガウスからの手紙が途絶えてしまったのでした。

「え?返信なし!?なんか気に障ること言っちゃったかな?私がバカだと思われたのかな?プライドきずつけちゃったのかな〜?」

これにより自信を失ったソフィーは急激に数学への情熱を失ったのでした。

ソフィーはこう見えて、繊細で乙女で、センチメンタルなのかもしれません。

ちなみに、ガウスがなぜソフィーに手紙を返さなかったのか?
シンプルに忙しかっただけだそうです笑

はぁ〜〜〜…。もう数学無理。嫌われちゃったかも。自信もないし。

数学の熱も冷め、以前の貴族的な生活に戻るのでしょうか…。

と思いきや、ソフィーが次に学び始めたのは《物理学》でした笑

まさに研究するために生まれたと言わんばかりの意欲ですね。

ソフィーは晩年、体調を崩しながらも研究をし続けていました。

そして生み出したのが、《物体の弾性理論》に関する論文

この研究が評価され、フランス学士院からメダルを受賞しました。

ちなみに、彼女が打ち出した物理学理論はパリのエッフェル塔の建設に大いに応用されたそうです。凄すぎる!

その後、なんとソフィーとガウスは文通を再会。

あの頃のソフィーの若気はなくなり、おそらく紳士的に文通ができたのかな〜と勝手に妄想。

嬉しいことに、ガウスはソフィーに名誉学位を与えるようドイツのゲッティンゲン大学へ働きかけた。

ちなみに、差別的な風潮もあるため女性が科学分野のおいて学位を取るのはとても困難なことでした。

しかし、ガウスという偉大な数学者が動くとなると、この事態は変わるのかもしれません。

そんな歴史が大きく動く瞬間に立ち会えるか!?

と思ったのも束の間。
1831年。名誉学位を受け取るその前にソフィーは乳がんでこの世を去ってしまったのでした。

ということで、フランスの差別的風潮が強い時代でも自由に生き抜いた!まさに数学の聖女!

ソフィージェルマンの生涯でした。

ではここからは、ソフィージェルマンの業績に触れていきたいとおもいます。

ソフィー・ジェルマンの業績

ソフィージェルマンの業績について、ソフィー・ジェルマン素数というものがあるのでご紹介します。

フェルマーの最終定理を1歩解明した、ソフィージェルマンの研究

数論におけるメインテーマは「素数」です。

この素数は紀元前から研究されており、今なお数学者を虜にしてやまない研究テーマです。

素数には、今現在も決まった規則や性質があまりわかっていないのですが、この素数の分野においてソフィージェルマンは素晴らしい理論を生み出したわけですね。

ちなみに、ソフィーは素数を研究しようとしたというよりは、当時難問とされていたフェルマーの最終定理を解決に導く過程で、偶然にも素数の性質の1つを明らかにしました。

それは「ソフィー・ジェルマン素数」」と呼ばれています。

ソフィー・ジェルマン素数

2p+1が素数となるような素数pをソフィー・ジェルマン素数という。

※2p+1が素数の場合、2p+1を「安全素数」という

このソフィー・ジェルマンが示した素数に関する理論によって、フェルマーの最終定理の一部分が解決に導かれたのです。

まとめ

今回は、1700年代に活躍したフランスの数学者ソフィー・ジェルマンをご紹介しました。

彼女は自分の好奇心に非常に誠実でダイナミックに人生を突き進んだ人物です。

風当たりの強い時代にも負けなかった彼女の生き様には、「お前も好きなことに真っ直ぐ突き進めー!」みたいなメッセージを感じるのは僕だけでしょうか。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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