古代の大発明家、アルキメデスの生涯、後世に残した業績について

アルキメデス 生涯・功績

どうも、丸田です。
今回は数学者・科学者として有名なアルキメデスをご紹介します。

アルキメデス

おそらく聞いたことある名前だと思います。

アルキメデスについて

アルキメデスは数学者であり発明家でもありました。
発明、数学、そして戦争において活躍しました。

最後の時まで数学を研究し、自分の描いた円の上で息を引き取ったという、「まさに科学者!」といった人物です。

アルキメデスの功績として有名なのは、浮力の発見やてこの原理の開発でしょうか。
ですが、それ以外にもさまざまな活躍をしております。

ということで、今回は数学者・物理学者のアルキメデスの生涯や活躍などを解説していきます。

目次

アルキメデスの生涯について

ここからはアルキメデスの生涯について、ご紹介していきます。

科学者を目指す見習い時代

舞台は紀元前287年。
アルキメデスはシチリアのシラクサという場所で生まれました。

当時の青年たちはアレキサンドリア大学へ向かうのがトレンドでした。
というのも、当時のアレクサンドリアは大学や図書館などが設立され、知識の文化で賑わっていたからです。

マルタ

イメージするなら、成功するために上京するような感じです。

(※アレキサンドリア大学とは、プトレマイオス一世がエジプトの都市アレクサンドリアに設立した大学。)

この時代の繁栄に関しては、ユークリッドの記事でも解説しているので、よければご参考ください。

【参考】幾何学の父、ユークリッドの功績と生涯。原論について

アルキメデスは、アレキサンドリアで有名な数学者ユークリッドの弟子として使えるコノンという人物から物理学と数学を学びました。

当時から天才中の天才だったアルキメデスは頭角を表し始めます。
ドンドン同期の学生よりも優秀さを際立たせ、ついに科学者になりました。

アルキメデス 優秀

その後アルキメデスは、故郷のシラクサへ帰ったのでした。

王様に使えながら研究をし続けていた時代

その後アルキメデスは、シラクサの王ヘロンに使えることになります。

マルタ

ヘロン王はシラクサを支配していた人物です。
彼も数学に精通しており、「ヘロンの公式」を残しています。

ヘロン王はアルキメデスを非常に寵愛しており、自由に研究をさせ続けました。
アルキメデスは、この研究期間にさまざまな本を書いていたと言われています。

シラクサVSローマの争いにて大活躍

この当時、第一次ポエニ戦争という戦争が起こり、シチリア島はローマに支配されていました。

しかし、シチリア島の中でも、アルキメデスが住んでいるシラクサだけはローマの同盟国として独立状態を保っていてなんとか安泰でした。

そのシラクサをヘロン王が統治していたという状況でした。

しかし、ヘロン王が死去し、政治的関係が悪化。
ついにローマはシラクサへ侵略することとなってしまいました。

絶対絶命か!?

否。

さすがアルキメデス。

彼はシラクサの防衛を担当していたのですが、とんでもなくパワフルな武器をせっせと作っては、ローマの侵略を阻止していました。

アルキメデスは数学者だけでなく、戦争に使える武器の発明も天才的だったわけですね〜。

アルキメデスは、ねじりバネを利用した投石機や大型弩弓、大きなレンズを利用して日光を用いて敵の軍艦を焼き尽くすなど、モンスター級の武器を次々と作ってはローマ兵を退けていたのです。

ちなみに投石機撃は80キログラムの石を発射するという、ぶっ飛んだ武器です。

マルタ

武器は剣と盾、そして弓の時代。
そんな中80キロの石が飛んでくるなんて、クレイジーだろ。

このように、アルキメデスは戦争という状況下にも適応し、持ち前の数学・物理の知識を使い、シラクサ軍として見事な働きをしていたのです。

最後の時

しかし、アルキメデスの防衛も長くは続きませんでした。

シラクサは小さい街、一方でローマは巨大な都市。
その戦略差はケタ違い。

いつまでも足止めはできなかったのですね。

ついにシラクサの街にローマ兵が侵入。
自宅で研究していたアルキメデスの場所にもローマ兵が突撃してきてしまいました。

万事休す!と思いきや、アルキメデスはローマ兵には無関心。
地面に描いた円から目を話さずにずーっと考えごとをしていたのです。

マルタ

叫びながら人が逃げていく中、一切微動だにしないアルキメデスの態度に、おそらくローマ兵も戸惑ったことでしょう。

兵士が円を踏みつけたところ、「この円を踏むな!」とアルキメデス大声で叫びました。

怒った兵士はアルキメデスの向かって槍を繰り出し、、、

命中。

刺されたアルキメデスは、自分の描いた円の上に倒れ、ついに息絶えたのでした。

こうしてアルキメデスは生涯を終えました。

最後の最後まで自分の研究に熱中していたアルキメデス。
散り際もまた見事と言わざるを得ません。

アルキメデスの業績・逸話

このようにアルキメデスは、数学や発明、そして戦争に捧げた人生を送ったわけですが、後世の科学を発展させる発見がたくさんあります。

ここでは逸話も合わせて、5つの業績をご紹介していきます。

【業績1】円周率を正確に求めた人物

円周率の歴史

現在において、円周率は「π=3.141592…」は誰でも知っていると思います。

しかし当時は、円周率の数字は具体的にはわかっておらず、なんとなく「3」と答えていたのです。

マルタ

おい!数学者何やってんだー!と思うかもですが、これにはワケがあります。。。

誰もが知る円周率の値を正確に求めた第一人者がアルキメデスなのですね。

アルキメデスのアイデアは非常に斬新だったのです。
というのも当時は、円を含む曲線を含む図形へのアプローチ手法がなかったのです。

三角形や四角形なら直線なので考えやすいのですが、円のような丸みある図形は非常に難しいのです。

そんな中、アルキメデスは「取り尽くし法」という手法を使って円周率を正確に計算したのでした。
取り尽くし法は、カンタンに言えば超細かな視点で分析するということです。

どういうことか?具体的にみていきましょう。

まず円を描きます。

円

円のまま考えるのは難しいです。
そこで「直線にしてしまえば近い値は求められるぞ!」というのがアルキメデスの発想です。

「はぁ?」と思うかもですが、具体的にはこんな感じです。

円周率 求め方

円の外側と内側に図形を置き、それら図形の外周の和を求めることで、円周率の範囲を決定できます。

上の図では正六角形ですが、これを正十二角形、正二十四角形、正四十八角形、正九十六角形と増やすことで、周の長さを円に限りなく近づけることができます。

正十二角形

円周率 正十二角形

正二十四角形

いかがでしょう。

円の中に多角形を配置していけば、直線の考え方で曲線を考えることができるというわけですね。

【参考記事】円周率に関してはこちらの記事でも解説しております。
円周率とは何か?2000年以上研究され続ける数学者を狂わす魅惑の数

こうしてアルキメデスは、円周率を求めることに成功したのでした。

マルタ

ちなみに、この円周率を求めるプロセスは、積分のアイデアの元にもなっています。

【業績2】円の表面積・体積を求めることに成功

球体

アルキメデスの功績はそれだけではありません。
なんと円の表面積や体積までも求めることに成功します。

「円の表面積や体積を求めることに一体何の意味が?」と思うことなかれ。

体積を求めるそのプロセスが大切なのです。

いきなり球の表面積や体積を求めるのは難しいですよね。じゃあどうするか?

アルキメデスは円を無限に細かな三角形に分解しました。

マルタ

この辺りの複雑なので、詳しくはまた別の記事にします。

円を無限に細かな三角形に分割することで、三角形の体積が求まります。
この三角形を足し合わせることで、球体という複雑な形の表面積・体積を求めることに成功したのでした。

この細かく分割する手法が現代でもあらゆる数学で使われているのです。

【業績3】ニセ王冠事件で浮力を発見する

エウレーカ

アルキメデスと言えば「エウレーカ!」と叫んだ、ニセ王冠事件が有名です。

シラクサの王ヘロンは「金の王冠」を作るために、金細工師に依頼しました。
出来上がった王冠を見たヘロン王は満足したのですが、「これ本物の金か?」と疑問を感じ始めました。

マルタ

金細工師の羽振りが急に良くなったことから、金細工師に対するよくない噂が街に広まっていたとか。

そこで、王様はアルキメデスへ王冠が本物かどうか?を調べるよう依頼したのです。

本来であれば、あれこれ触ったりして調べれば良いと思うのですが、なんせ王冠ですから、丁重に扱わなければならないわけです。

ですので、なるべく王冠を触らず傷つけず、本物かニセモノかを調べるという難問にぶち当たるのです。

はて、どうしたものか。そこでアルキメデスが思いついたのが、水の中に入れるという方法です。

これが浮力発見の瞬間でした。
アルキメデスの原理と言います。)

浮力とは、物体を水の中に沈めると、その物体と同じ量だけ水位が高まります。(お風呂をイメージしてみてください)

この理論を応用します。手法はシンプル。
王冠に使われている材料と同じだけの本物の金を用意します。

もし王冠が本物の金でできているなら、準備した金の質量と同じです。
と言うことは体積も一緒なはずです。

この物質を水に入れた時、溢れる水の量は同じですよね。(お風呂をイメージしてください)

王冠が本物なら同じ量の水が溢れるはず。。。

しかし、実際は水位の変化にバラツキがありました。

と言うことは、王冠には他の金属が混ざっている、つまりはニセモノだと言うことです。

このようなプロセスを活用して、王冠がニセモノであることを見抜いたのでした。

マルタ

アルキメデスは風呂に入っている時に、この原理を発見し、「エウレーカ!(わかったぞ!)」と裸で街中を走ったという逸話があります。(ただし、真偽は不明)

【業績4】一人でローマ軍2万を足止めさせた軍師

アルキメデスはローマがシラクサに侵略するときに、様々な武器を開発してローマ軍を悩ませました。

投石機や大型弩弓、太陽光を利用した熱光線、そして船を転覆させる鉤爪(かぎづめ)など。
数々の兵器を開発し、なんと2万人ものローマ兵の足止めに成功したと言われています。

当時の一般的な武器といえば、刀や槍、弓、防御は盾ぐらいでしょうか。
そのサイズを遥かに超えるモノが飛んでくるとなると、ローマ兵もガクブルだったことでしょう。

ちなみに太陽光を利用した熱光線は、太陽光が刺す場所に虫眼鏡を当てて、紙を燃やす原理と同じです。

シチリア島の日差しは強かったこともあり、ローマ軍の船を燃やせたのだろうと考えられています。

【業績5】てこの原理で巨大な船を動かす。王もニッコリ。

てこの原理はカンタンに言えば、小さな力で大きなモノを動かす原理です。
アルキメデスはてこの原理によって、敵船を転覆させる装置を生み出していました。

ですが、これは味方の船を動かした喜ばしい実績もあります。

ヘロン王はどんな敵にも負けない、巨大艦隊を作りました。

「おら〜!これで負けねぇぜ!」と意気込んだのも束の間、船をどうやって海まで運べば良いのかわかりませんでした。
しかも、デカすぎてピクリともしないという。

マルタ

はは〜、さてはこの王は◯カだな?

しかしアルキメデスは、てこの原理で船を海まで運んだのでした。

めでたしめでたし。

アルキメデスのまとめ

ということで、今回はアルキメデスについて解説しました。

アルキメデスは数学と物理学の分野に多大な貢献をしました。

  • アルキメデスの浮力の原理
  • 球体の表面積・体積を求め、積分法の先駆けとなる手法の発明
  • 複雑な機械や兵器で国を守った

など、発明、数学、戦争と捧げた人生ですが、他にもアルキメデスが生涯に発明した数が数知れません。

もちろん彼の業績は現代の数学、物理学、工学の幅広い分野にも影響を与えてます。
アルキメデスの功績は後世の学者によっても高く評価され、彼の名前は数学と科学の歴史において輝き続けているのです。

ということで、以上でアルキメデスの解説は終わりです。

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