どうも、丸田です。
今回は「フィボナッチ数列」で有名な数学者、「レオナルド・フィボナッチ」について解説して行きます。
このフィボナッチ数列は、古代から研究されていた「黄金比」と密接な関係がある数列で、この数列を発見したのがフィボナッチなのです。
この黄金比、フィボナッチ数列は特に美術や建築、自然現象、金融などにも見られる不思議な性質です。

この記事では、そのような数学と自然が交わる美しい性質を深く研究したフィボナッチの生い立ちや業績などをご紹介していきます。
数学者フィボナッチの生い立ち
レオナルド・フィボナッチの生い立ちを紹介しています。
アラビア数学を学ぶ
フィボナッチはおよそ1170年頃にイタリアのピサで生まれました。
しかし、父が仕事で移住するため、フィボナッチもついていき、ブギア(現アルジェリア)に移住しました。

ちなみに、フィボナッチの本名は、「レオナルド・フィリオ・ボナッチ」です。
なまって「フィボナッチ」と呼ばれるようになったそうです。
フィボナッチはブギアでアラビア数学を学びました。
ちなみに、当時はヨーロッパとアラビア地方では数学の文化がまるっきり違っていました。
ヨーロッパと比べてアラビア数学が優れていたのは、「数字の記法」でした。
ヨーロッパはローマ数字という複雑な数字体系を採用しておりましたが、実用性に乏しい状況でした。
例えば、こんな感じの数字って使いづらいですよね。


数字が増えるたびに、線を増やさなければなりません。
一方、アラビア数学は10進法という数字記法で、簡単にいえば「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9」の10つの記号だけでどんな数字も表現できるという非常に便利だったのですね。
アラビア数学の数字体系の便利さに気づいたフィボナッチは、数学を深く学んでいくのでした。
そして、そのあとはエジプト、シリア、ギリシアを旅しながら数学を学んでいくのでした。
「算盤の書」を出版。ヨーロッパに数学を復活させ名声を得る
数学を学んだフィボナッチは、故郷イタリアへ帰りました。
それから1201年に「算盤の書」を出版し、とても高い評判を得たのでした。
フィボナッチの本は何が凄かったのか?
それはアラビア数字記法の便利さ、そしてその数字記法を簿記や利子計算、会計学などに応用できる体系で世に広めたことです。
数記法が簡単になったことから、アラビアの数字体系がヨーロッパにもどんどん普及して行きました。
特に商人に大きな影響を与えたことから、数学がどんどん実用性を帯びて来ます。
当時のヨーロッパは、「数学は無意味だ」という風潮があったのですが、フィボナッチの行為により、ヨーロッパに数学が復活し始めていくのです。
フィボナッチ数列を世に広める
さらに彼の一番の発見は「フィボナッチ数列」というものです。
フィボナッチ数列は、人が無意識的に美しいと感じる「黄金比」と密接な関わりを持っています。
古今東西、人は「美しさ」を求め続けていました。
芸術や美術、建物洋式など。
その黄金比の研究にさらに新たな要素を見出したことから、フィボナッチはますます高い評価を受けます。
そして、フィボナッチは宮殿に呼ばれ、のちにピサ共和国から表彰もされたのでした。
フィボナッチの大まかな生い立ちは以上となります。
フィボナッチの発見を詳しく解説
ここからはフィボナッチの発見をより詳しく解説していきます。
フィボナッチ数列について
フィボナッチと言えば、一番有名な「フィボナッチ数列」。
このフィボナッチ数列は黄金比と密接な関係があります。
黄金比とは
黄金比とは、一言で言えば、「人が美しいと感じる物の比率です」。
自然界にも存在する法則なので、自然界に隠された数とも言えるでしょう。
黄金比とは、「1:1.618…」の比率です。


有名なのはパルテノン神殿やモナリザ、レオナルド・ダヴィンチのスケッチ人体です。
また最近は、iPhoneやくまモンにも活用されていると言われております。




ちなみに、黄金比は紀元前からピタゴラスやユークリッドなどが考案し、研究しておりました。
フィボナッチ数列とは
このフィボナッチ数列を発見したのが、フィボナッチです。


数列とは、数字を並べたもの、ただそれだけです笑
しかし、並べ方次第では規則性が生まれるものもあります。
例えば、「1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11…」
これは数字を1ずつ足して並べた数字の列になります。
あるいは、「1,2,4,8,16,32,64,128,256…」
これは1から始まり、2をかけていくことで並ぶ数字の列です。
このような規則性がある数字の列はいくらでも作ることができるわけですが、その中で最も美しいのが「フィボナッチ数列」なのです。
フィボナッチの発見した数列は以下のとおりです。
「1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, 233, 377, 610」
一見すると、どこに規則性があるのか?と疑問ですが、これは「1から始まり、1つ前の数字を足した数字が次の数字になる」という規則を持っています。
どういうことか?例えば、最初は「1」からスタートです。
次へは最初の前の数字がないから、そのまま「1」です。
「1」とその前の数字「1」を足した「2」が次の数字となります。
「2」とその前の数字「1」を足した「3」が次の数字となります。
「3」とその前の数字「2」を足した「5」が次の数字となります。
「5」とその前の数字「3」を足した「8」が次の数字となります。
「8」とその前の数字「5」を足した「13」が次の数字となります。
「13」とその前の数字「8」を足した「21」が次の数字となります。
といった具合に、数字が増え続けるという規則ある数列なのです。
ここでポイントなのが、連続する2数のうち、小さい数で大きい数を割ると、黄金比に近づくという性質があるのです。
例えば、
3と5は連続する2数です。このうち小さい数3で大きい数5を割ると、5/3=1.666666…
5と8は連続する2数です。このうち小さい数5で大きい数8を割ると、8/5=1.6
13と21は連続する2数です。このうち小さい数13で大きい数21を割ると、21/13=1.615384…
このフィボナッチが発案した数列は、連続する2数のうち、小さい数で大きい数を割ると、黄金比に近づくという不思議な性質があるのですね。
もっと大きな数で試してみましょう。
377と610はフィボナッチ数列の中で連続する2数です。このうち小さい377で大きい610を割ると、610/377=1.61803…
46368と75025はフィボナッチ数列の中で連続する2数です。このうち小さい46368で大きい75025を割ると、75025/46368=1.61803399…
というように、どんなに大きい連続する数を選んでも、小さい方の数字を割ると黄金比に近づくのです。
しかも値が大きければ大きいほど黄金比に正確に近づいていくのですから不思議ですよね。



ちなみに、46368はフィボナッチ数列の25番目、
75025はフィボナッチ数列26番目の数字です。
しかも、さらに不思議なのは、フィボナッチ数列「1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, 233, 377, 610…」のこの数字の列は、なんと自然界にも見つけることができます。
植物の並ぶ葉の数や配列、カタツムリの殻、が「1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55…」と続いているのですね。


10進法を用いた位取り記法の実用性を広める
フィボナッチがアラビア数字を広めたことで、ヨーロッパにおける数学の文化が一気に変わりました。
当時のヨーロッパは「ローマ数字」と言われる数の記法を活用しておりました。


ファイナルファンタジーやドラゴンクエストなどのナンバリングにてよく見る数字ですよね。
ローマ数字は非常に使いづらく、また数字が大きくなればなるほどに、実用性はほぼないといっても過言ではありません。
例えば以下の数字が読めますか?


これは「499」を意味するのですが、ムズ過ぎますよね笑
おまけにローマ数字は位が増えるごとに、数字体系を新しく作る必要がありました。
例えば、10を示すために「X」を使ったり、100を示すために、「C」を使ったり。


ちなみに、位取り記法に関して簡単に言えば、各桁にそれぞれ位が対応した数記法です。
我々が普段使っているのが、アラビア数字(0から9までの数字)の記法なのです。
例えば、
1の位(一の位):10^0 = 1
10の位(十の位):10^1 = 10
100の位(百の位):10^2 = 100
1,000の位(千の位):10^3 = 1,000
このように、各桁の左に行くほど、その桁の価値は10倍になります。
この位取り記法によって、0から9までの数字だけで表現、計算できるのでとても効率的なのですね。
フィボナッチは1201年に、出版した「算盤の書」には、この位取り記法と実社会に活用する方法を記載しており、これがめちゃくちゃ高い評価を受けたのですね。
数学者フィボナッチの生い立ち・発見のまとめ
今回は、フィボナッチ数列で有名な数学者、レオナルド・フォボナッチについて紹介しました。
フィボナッチ数列と黄金比に関しては、いろんなデータや事例がありますので、より詳しく知ってみたい方はぜひ調べてみてください。
とても面白いと思いますよ。
では以上で終わります。