【続編】完全教祖マニュアルを使えば、数学者ピタゴラスを”完全”に救えるのか?

ピタゴラス 救済

どうも、丸田です。

以前、このような記事を書きました。

軽く記事の内容を要約すると、

ピタゴラスはヒッパソスを処刑したことで、人生転落してしまった。
だからこそ、ヒッパソスを処刑せず、素直に誤って、ピタゴラス教団の掲げる理念を作り直して再スタートを図るべきだった。

という内容です。そしてピタゴラス救済案を導き出すために、「完全教祖マニュアル」を活用したのでした。

これでピタゴラスは人生転落することなく、命を落とすこともない!

教団は繁栄する!

めでたし!めでたし!


…とはいきません。

まだまだ、”完全にピタゴラスを救えた”とは言えないのです。

なぜなら、ピタゴラスを実際に弾圧したのは、教団メンバーではなく、街の人たちだからです。

もちろんヒッパソスの処刑によって、教団メンバーがざわつき、不満を爆発させたことは間違いありません。

ですが、実際にピタゴラスにトドメを刺したのは、ピタゴラスが当時住んでいたイタリアの南部の町クロトンの街の人たちだったのです。

街の人たち恐ろしい…。

つまり、ピタゴラスを救うためには、教団メンバーの説得だけでなく、街の人たちとの和解も重要なのです。

ということで、前回の記事の続編として、「完全教祖マニュアル」を活用して、どうすればピタゴラスは街の人たちからの弾圧を免れるのか?について考察結果を綴ってまいります。

ドラえもんの手っぽい何か
目次

ピタゴラス教団の致命的な欠点

そもそも、ピタゴラス教団のシステムには致命的な欠陥がありました。

それは「教団内の研究結果や情報を外に漏らしてはならない」というルール。

これがピタゴラス弾圧の決定打になったと考えられます。

というのも、街の人たちはピタゴラスの「数を信仰する宗教」に怪しさ、不信感を抱いていたからです。


確かに、冷静に考えたら怪しいですよね。

だって、もし住んでいる家の近くに謎の建物が存在しているとして、怪しい人たちが出入りしてたり、何しているかわからないってなると怪しいですし。

このような怪しい団体はどうなるか?というと、何か事件や不祥事が起こるたびに、疑惑の目を向けられてしまいます。

つまり当時のピタゴラス教団は、何か不祥事が起こった場合、白羽の矢が立ちやすい状況だったと言えます。

ピタゴラス教団の行う行動の1つ1つが怪しいと。ピタゴラスの一挙手一投足が街の人たちに不信感を募らせていき、そして、ヒッパソス処刑という事件が、教団崩壊への導火線に着火してしまったわけです。

じゃあどうするべきだったのか?

大衆に迎合しよう!

結論はズバリ、大衆に迎合するべきだったのです!

もちろん、これは僕の意見ではありませんよ。

疑うなら、完全教祖マニュアルのP47ページを開いてみてください。

すると、このようにあります。

大衆に迎合しよう

つまり、ピタゴラス教団の掲げる「数こそが神様だ」みたいな理念って、ピタゴラスと教団メンバーにとっては真理かもしれませんが、街の一般人にすれば意味不明です。

訳が分かりません。

百歩譲って、「数の法則があらゆる万物に潜んでいる」と理解されたとしても「ふーん、それで?」とスルーされてしまうでしょう。

ピタゴラス

愚民どもにはオレの高邁なる教えなど分からんのだ

もしかしたらピタゴラスは、そう言うのかもしれませんね。

そんなピタゴラスに「完全教祖マニュアル」のとある言葉を与えましょう。

あなたは教義を守るためではなく、人々をハッピーにするために教祖を目指しているのですから手段と目的を混同してはいけません。

「愚民どもにはオレの高邁なる教えなど分からんのだ」などと思いたくもなるでしょうが、しかし、そういった愚民こそあなたが救うべき人たちだということを忘れないで下さい。

ピタゴラスの心の中をピッタシ言い当てたかのような言葉ですね〜。

ピタゴラス教団の繁栄には、大衆から理解されるべきだった。大衆と迎合するべきだったのです。

ピタゴラスは大衆に寄り添わなかったから、大衆から弾圧されたのです。

ピタゴラスよ、肝に銘じなさい。

何度も言いますが、ピタゴラス教団は大衆に迎合するべきだったのです。

いや、もっと言えば、大衆から愛される存在を目指すべきだったのです。

え?大衆に迎合するって具体的にどうすればいいのって?

よろしい。引き続き完全教祖マニュアルを読み進めていきましょう。

教えを簡略化しよう

難しい、あるいは意味不明な教団の信仰・理念などは理解されません。(これは重要!)

完全教祖マニュアルの教えに従うと、一般人は哲学など毛ほどの興味もないのです。

浄土教の南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)など一般人は悪霊退散の呪文程度にしか思っていませんし、毎日神棚に手を合わせていても天岩戸も知らなかったりします。

by完全教祖マニュアル

もちろんピタゴラスの気持ちもわかりますよ。

自信を持って信仰している教団の理念を、わかりやすくとか省略・簡略したく無いですよね。

誇りを持って作り出したモノを、理解してくれる人にだけ理解されたい。

自分が本当に好きなものだからこそ、軽い気持ちで理解されたくない。ちゃんと理解されたいと。

そんなピタゴラスのプライドが垣間見えますよ。

ですが、難しすぎて興味を持たれないよりも、多少わかりやすくして興味を持ってもらう方が大事でしょう。


え?それでも嫌だと。

じゃあ本当にあった恐ろしい歴史をご紹介しましょう。

完全教祖マニュアルでは以下のような歴史が語られています。

超エリート宗教である仏教は、出生地のインドでは農民層に根付かず、後にヒンドゥー教、イスラム教により駆逐されました。

まぁ、しょうがないですよね。仏教ってクソ難しいですから。

by完全教祖マニュアル

つまり、あまりにも難しいこと言っていると、ピタゴラス教団も駆逐されちゃうぞって話です。


だからこそ、まずは教団の理念・信仰を簡略化して一般の人たちにも理解されるように努めることが大切なのです。

じゃあどうすれば良いのか?って話ですが、

例えば「数学を学べば、世界をもっとよりよく豊かに生きられる」とか「1+1=2と唱えれば、来世は勝ち組人生に転生できるよ」みたいなことを言えば良いわけです。

「いやいや!そんなのあり得ないだろ!」と思うかもしれません。

しかし、実際日本では「南無阿弥陀仏と唱えれば極楽に行って成仏できるよ」という、とてもシンプルな浄土教が広まったのです。

宗教に対して警戒心強い日本人すら、このような信仰を持っていた歴史があるのですから、宗教に寛容なヨーロッパであれば、「1+1=2と唱えれば、来世は勝ち組人生に転生できるよ」程度じゃ余裕で信じてもらえます。

とは言え、これだけでは街の人たちへの理解を得ることは、まだまだ難しい可能性があります。

そこで次の一手を打ちましょう。

現世利益をうたおう

街の人たちは難しい哲学にも理念にも興味はありません。簡略化した教えが必要だ、と述べました。

では街の人たちは何を求めているのか?

それはシンプルに「利益」です。

それも現世利益です。

先ほどは、信じれば来世は良くなるよーって話でしたが、当然来世までなんて待ってられませんよね。

どうしてもなるべく早く何かしらの利益や状況の変化が欲しいです。

だからこそ、ピタゴラスが街の人たちにより教団について理解してもらうためには、「現世利益」を解くことが大切なのです。

完全教祖マニュアルには以下のような一文があります。

この世の真理を悟りたいとか、完璧な人格を目指したいとかではなく、健康でいたい、家族と仲良く暮らしたい、給料が上がるといいな、大学に受かりますよに、と、彼らが求めるのはそういった次元のものなのです。

by完全教祖マニュアル

このようにピタゴラス教団という団体が、どんな現世利益のために活動しているのか?を明確にするべきなのです。


そして、現世利益の生み出し方に関して、実はとても有益な情報があるのでシェアします。

アメリカの有名コピーライター、ドルー・エリック・ホイットマンは「人間が欲する欲求」を「生命の8つの躍動(Life-Force8/LF8)」として以下を提唱しています。

  1. 生き残り、人生を楽しみ、長生きしたい。
  2. 美味しい食べ物、飲み物を味わいたい。
  3. 恐怖、痛み、危険を免れたい。
  4. 性的に交わりたい。
  5. 快適に暮らしたい。
  6. 他人に勝り、世の中に後れを取りたくない。
  7. 愛する人を気遣い、守りたい。
  8. 社会的に認められたい。

僕はコピーライターとしても活動していますが、めちゃくちゃ参考にさせてもらってます。

つまり、現世利益を謳うには、上の8つのうちのどれかに当てはめてあげれば簡単に利益を述べることができるのです。

例えば、数の性質を学ぶことによって…

  • 数の計算ができるようになるよ〜。そしたらめっちゃ儲かって美味いもん食い放題やぞ〜!
  • 数を知ると、万物を理解できるようになり、スマートに生きられるで〜
  • 世界中で計算できるやつなんてほぼおらんから、計算できるだけで一人勝ちできるで〜!生まれ変わらんでも勝ち組の人生になれるで〜!
  • 貴族から直接雇用されたら、めっちゃ豪邸に住めるで〜!
  • めっちゃモテるで!アレコレやり放題や!
  • 人生めっちゃ楽しくなるで!笑うと健康になって長生きも余裕やで!

みたいな。こんな感じで現世利益を伝えることが重要なんですね。

ピタゴラスに足りなかったのはまさにこれ!

この利益さえあれば!街の人たちは「なるほど!だからピタゴラスたちは数の性質を明らかにしているんだな!」と理解されます。

僕たちもそうですよね。

「将来、安定した生活を送りたから、公務員になる!そのために今公務員講座に通ってるんだ!」と友達が言ってきたら、何も疑問に感じませんよね。

それと同じです。

世間的にどれだけ怪しいことも筋の通った話があれば、納得してしまいますから。

ピタゴラスは「数字→神」と論理が飛躍しすぎていたから、街の人たちから理解がされないのです。

でも「数の法則を学べば、万物の仕組みがわかる。そしたら仕事もたくさんあるし、儲かるし、人生が楽しくなる。おまけに死んだら来世では勝ち組になれる」と理にかなっていたら、街の人たちもしっかり理解される訳です。

いや、むしろ街の人たちの中からは「俺もピタゴラス教団に入りたい!」と入団希望者が増えるかもしれませんよ。

最高の戦略じゃないですか!

ん?「いやいや!でもそんな利益を確実にもたらす自信はない」って?

大丈夫!完全教祖マニュアルにはこのような記述があります。

要は人をハッピーにできればそれで良いのです。

だって、ハッピーなことが何よりの現世利益なんですから。

by完全教祖マニュアル

つまり、儲かるよ!とか健康になれるよ!みたいな利益を伝えることが大事ですが、確約する必要はありません。

もちろんそれを実現させる必要もありません。


要するに、現世利益の内容を聞いて、人々がハッピーになればそれで良いのですから。

ここまでをまとめると、ピタゴラスが街の人たちから弾圧されずに済むには、街の人たちからピタゴラス教団の理念や信仰の理解を得ること。

そのために、理念・信仰を簡略化し、さらには現世主義を主張することが効果的だと述べてきました。

そして、最後の1ピースでトドメを刺しましょう。

それは「街の人たちから愛されよう」です。

天才であり、変人な数学者ピタゴラス。

果たしてどうすれば街の人たちから愛されるのでしょうか?

結論は、街の人たちと積極的に触れ合うことです。

コミュニティを作ろう

完全教祖マニュアルのページを一気に進めて、150Pを進めるとこのような記述があります。

宗教をやっていく上ではイベントを開くことも重要です。信者全員が集まるような大規模なイベントばかりではなく、気軽に行える小さなイベントも定期的に行っていきましょう。

by完全教祖マニュアル

この話は、主に宗教の布教活動の一環として取り上げられていましたが、ピタゴラスが街の人たちに好かれるには必須だと思い、引用しました。

なんせ、ピタゴラス教団は教団内の研究結果を外部にシェアするのは禁止されていたわけですからね。

何もかも秘密でコソコソしていれば、当然周囲の人たちは怪しむはずです。

何をやっているかわからない。
得体の知れない団体。

だから、最終的に弾圧される対象になってしまうわけですよ。なぁピタゴラス!!

そんな情報を秘密にしてはいけない。分かち合い・シェアの精神が大切なのですよ。

…とは言え、全部が全部を晒すというのは難しいかもしれません。

だからこそ、何をやっているのか?が垣間見えるようなコミュニティが大事なんですね。

完全教祖マニュアルには、さらにこのような具体的なお話があります。

週に一度か月に一度くらいは勉強会なり座談会なりお祈り会なりを開いて信者を集めることをオススメします。

大したことはしなくて構いませんが、その代わり、必ず定期的に、できれば地区単位で行ってください。

by完全教祖マニュアル

コミュニティと聞くと難しそうと感じるかもしれませんが、ご近所に知り合いができる、ぐらいのラフさで考えてOKとマニュアルは言っています。

ちなみに、創価学会の座談会では、宗教的な話し合いなどを行った後で、茶菓子や軽食などが振る舞われりするイベントがあるそうですね。

完全教祖マニュアルでは、集客のためのイベントとして解説されていますが、何も集客に限りません。

街の人たちも参加できるようなイベントなどを開催しても良いんじゃ無いかと思うのです。

このあたりは、完全教祖マニュアルの内容に少しだけ僕の意見を足すような形になりますが。。。


例えば、週に一度か月に一度の頻度で、数の法則を研究するワークショップをやると良いと思うんですね。

そして夏になれば、野外イベントで数字に触れ合うゲームをしたり、子供たちが遊べる数字の神経衰弱みたいなことをやったりするとめっちゃ良いと思うんです。

街の大人たちに愛されることも大事ですが、子供たちが楽しくワイワイ遊んでいる場を提供すれば、その親たちも自然と楽しんでくれます。

そして、主催者にも好意的になってくれるものなんですね。

だからこそ、最後ピタゴラスは街の人たちから愛されるためには、定期的にイベントをやること。

特に、子供たちと一緒にワイワイできるイベントをやるとなおよし!というわけです。

こうしてピタゴラスは、教団メンバーとの団結力を高め、さらには街の人たちにも愛される、まさにWin-Win-Winとなって一件落着です!

まとめ

ということで、前回と今回の記事で、完全教祖マニュアルを用いて没落したピタゴラスを完全に救い出すことができましたね!

前回に引き続き、今回までもピタゴラスを救済したわけです、まさに「ピタゴラス完全救済マニュアル」になったのではないかと思います笑


ということで、ピタゴラスは輪廻転生してこの世に生まれ変われたなら、ぜひこの記事を読んで次は教祖として永遠の繁栄を手に入れてください。

では最後までお読みいただき、ありがとうございましたー!

この記事を書いた人

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