数学の始祖・哲学の父と呼ばれる偉人タレスについて

数学の始祖 タレス

どうも、マルタです。

今回は哲学の祖、数学の始祖と呼ばれる伝説の偉人、タレスについて解説していきます。

タレスは哲学・数学・天文学において非常に重要な定理・法則を発見した偉人の中でもトップクラスの実績を持っています。

また数学や哲学に関する資料の中で確認される最古の人物でもあります。

マルタ

全数学者・哲学者の先輩です

そんな天才タレスは一体どんな生涯を送ったのでしょうか。

ここでは生い立ちや逸話、発見した定理について解説していきます。

目次

タレスの生い立ち

タレスは今から2600年前、ギリシャのミレトス(現トルコ)に生まれました。

タレスの家は裕福な商売人家族であり、その商売のお手伝いをしていたそうです。

商売上の用事でエジプトへ行ったことから、タレスの人生は激変します。

タレスは渡航したエジプト先のお坊さんと意気投合し、仲良くなります。

そのお坊さんは一冊の本を取りだし「これは非常に珍しい本だ、中身は誰にも見せることができない」と言いました。

マルタ

そう言われると気になる…。「見せるなよ」って話ですよね笑

気になったタレスは、何十回も何百回もお坊さんに見せてくれるよう交渉しまくりました。

お坊さんはその熱意に根負けし、ついにその本を貸してあげることにしました。

この本を読んだタレスは衝撃を受けました。

なんとその本には、いろんな数学・天文学などの定理が書かれていたのです。

その数々の自然科学の知識に夢中になったタレスはずーっと読み漁り続け、ついにその内容を全て覚えてしまったのでした。

そして、ついに大数学者になったのでした。

マルタ

個人的には、そのお坊さんの所有していた本の方が気になりますねw

タレスの逸話

タレスにまつわる逸話は数々ありますが、その中でも有名な逸話をご紹介します。

【逸話1】棒切れ1本でピラミッドの高さを測る

タレスはエジプットにて見たピラミッドに感銘を受けました。

タレス

おぉ…なんと美しい…!

そして、こう思ったそうです。

タレス

あぁ〜、ピラミッドの高さ測ってみて〜

さすが数学者ですね笑

とはいえ、ピラミッドはめちゃくちゃデカいです。

ピラミッド

どうやって測ったか?

よじ登って測るのか?

周囲をぐるぐる回りながら測るのか?

いえ、天才タレスには棒切れ一本で十分でした。

太陽と比例を活用する方法です。

やり方はシンプル。

①まずは棒を立てます。

仮に高さ10cmの棒を立てる時の、棒の影の長さを図った結果40cmだとします。

そうすると、影の長さは棒の高さの4倍という関係性になりますね。

②次に、ピラミッドの影の長さを測ります。

ピラミッド 高さ測定2

ピラミッドの高さをXとします。

影の長さが560mだとすると、影の長さは高さの4倍なので、ピラミッドの高さは560÷4=140と導かれます。

このようにしてタレスはピラミッドの高さを測ったのです。

マルタ

ちなみに、クフ王のピラミッドの高さは139mです

ちなみに、比例・比率の考え方でピラミッドの高さを導きましたが、当時は比例・比率の概念すらなかった時代です。

そう考えると、タレスの天才ぶりはタダモノではありませんよね。

【逸話2】オリーブの収穫時期を予言し大金持ちに

円周率 農業

タレスは常々、知識の重要性を説いていました。

ですが、一部の人から批判を受けることになります。

じゃあ、なんで知識人のお前は貧乏なんだよw!

実家が裕福にも関わらず、なぜかタレス本人は金欠生活をしていたそうです。

マルタ

マジで変人だこれ。

クレームに腹を立てたタレスは、数学・天文学の知識を活用し、なんと一気に大金持ちになるのでした。

具体的な方法は、農作機器のレンタルでお金を稼ぐ方法でした。

まずタレスは天文学の知識を活用し、オリーブの収穫時期を予測しました。

次にタレスは、農家から収穫機を買い占めます。

オリーブが育つ時期になると、収穫機を求める人たちがタレスの元へ集まり、収穫機を貸してくれるように懇願しました。

その人たちへ有料で機器を貸し出すことで財を成すほどのお金を手に入れたのでした。

マルタ

タレスは先物取引の先駆者と言われています

【逸話3】日食を予言し、戦争を止める

タレス 日食

タレスは言いました。

「(紀元前585年)5月28日には、真昼であるのにかならず太陽は光を失い、急に夜が訪れ、星が輝くであろう」と。

はぁ?真昼に星?そんなのあるわけねーだろ!

と思いますよね。

当時の人々もそう思い、ついには「タレスは狂人だ」と言い出す人も現れます。

ところが当日の5月28日、本当に真昼にも関わらず空には星が輝き始めたのでした。

日食

この出来事によって、多くの人々はタレスの知識を賞賛するようになりました。

ちなみに、この日はリディアとメディアという国同士の戦争が起こっていたのですが、急に夜が訪れたため、戦争が終わったそうです。

ヤベェ、神が怒った!

と戦争に参加していた人たちは思ったそうです。

これもタレスが予言してくれたおかげだと、タレスは賞賛を浴びることとなりました。

ちなみに、紀元前585年5月28日に起こった日食は「タレスの日食」と呼ばれており、研究は今なお続いています。

【逸話4】数学における「証明」スタイルを確立させる

タレス 証明

証明とは定理や法則が正しいことを証明する根拠を示す論理構築の手法です。

おそらく、学生の頃に「〜〜を証明せよ」みたいな問題見たことがあると思いますが、その「証明」ですね。

数学の定理や法則は紀元前の時代から、すでに発見されていました。

しかし、残念なことにそれを証明するスタイルがありませんでした。

厳密にいえば帰納法と言われる方法ならありました。

具体的な事例をいくつか挙げて、正しさを証明する方法です。

帰納法をザックリ説明すると…

①丸田株式会社の田中さんは元気がいい

②丸田株式会社の伊藤さんも元気がいい!

③すなわち、丸田株式会社の人たちはみんな元気がいい!これは普遍の定理なり〜

と具体事例から共通点をあぶり出す証明方法

もちろん、帰納法はある程度は正しいと思います。

ですが、普遍的に正しいとは言い切れませんでした。

もしAという法則が存在したとしても、Aの法則に当てはまらない事例が見つかったならば、Aの法則が正しいとは言い切れなくなってしまいますよね。

なので論理性における欠点があったのです。

そこに「待った!」をかけたのがタレスでした。

どんな時でも確実に成立する証明スタイルを確立したのです。

このスタイルが現在の数学でも生かされています。

マルタ

つまりは、タレスは物事の厳密さにこだわったということですね。

【逸話5】「万物は〇〇である」シリーズを始める

万物の根源

「万物は水である」

タレスはこのような理論を提唱しました。

つまり、世の中の全ては水から出来上がっていると、彼は主張したのです。

え?あの石も元は水ってこと?そんなアホな

何言ってんだ!?そんなことよりもっと社会に役立つことやれよ

あの厳密さを追求するタレスもついに狂ったか!?

と批判する声もあったそうです。

もちろん、ただ適当に言っているわけではありませんよ。

タレスの主張はこうです。

海水が太陽によって蒸発し、雲となりそして雨へ。

その雨が大地に染み込んだ結果、生物や植物が誕生し、人間も誕生したのではないかという考えです。

万物は水からできている

この説はもちろん正しいかどうかは分かりませんが、一理ある気はしますよね。

この主張に対して、もちろん反論はあります。

「いや待て、水が太陽によって蒸発するということは、蒸発させるエネルギーはどこからきてるんだ?これは火も必要じゃないか?」

「雨を下に落とすエネルギーはどこから来てる?」

「地面に染み込むメカニズムは一体何であろうか?」

「地面に染み込んだ水から生命が誕生するプロセスをもっと詳しく!」

なんて反論がおそらく当時もあったものと思われます。

その結果、アネクシメネスは「空気からできている」、アナクシマンドロスは「アペイロン(無規定・無限のもの)からできている」と考えたのです。

マルタ

このような、万物の根源を突き止めようとする思想を「ミレトス学派」と言われます。

このような「万物は〜〜である」と初めて問いを投げたのはタレスなのです。

タレスが生み出した「タレスの定理」とは

タレスの定理とは今なお数学で活躍している定理です。

タレスの定理はいくつかありますが、その中でも有名な定理は、「半円に内接する三角形は直角三角形である」というもの

つまりはこれです。

タレスの定理

中学の図形問題でかなーり活躍する定理です。

他にも、

  • 円の直径は円を二等分する。
  • 二等辺三角形の底角は等しい
  • 2本の直線が交わってできた対頂角は等しい

など、このような図形で有名な定理のいくつかはタレスが発見しています。

ちなみに、当時は三角形や図形の知識を活用して、建物や建築をしていました。

特に直角90度は建築においても重要な役割を持っていたので、タレスの定理はとても便利になったのではないかと思われます。

タレスが未来に残したもの

そんな数々の伝説をつくったタレスですが、その後ピタゴラスに数学の全てを伝授します。

ちなみに、ピタゴラスとは、かの有名な「三平方の定理」を証明した数学者です。

ピタゴラスは数を研究し、色々な定理や数秘術などを研究し、世に発表していきます。

タレスはピタゴラスを偉大な数学者へ育てるため、タレス自身の知識・経験を後世に託すのでした。

まとめ

この記事では、数学の始祖・哲学の父と呼ばれる偉人タレスの生い立ちや逸話、有名定理をご紹介しました。

まとめ
  • タレスは数学・哲学・天文学の知識を持った賢人である
  • エジプトの高さを棒切れ1本で測る
  • オリーブの収穫時期を予測して財を成す
  • 日食を予言して、戦争を止める
  • 証明スタイルを確立させる
  • 万物は水であるを提唱
  • タレスの定理を発見する

などなど、このような伝説があります。

タレスはさまざまな考え方を編み出した数学者・哲学者の祖なので、ぜひタレスに対していろんな情報を調べてみてください。

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