どうも、丸田です。
先日、知り合いの方から「マイナスとマイナスをかけたらプラスになるという説明をどうする?」と聞かれました。
うむ、非常に興味深い問いですね〜。
ということで、自分なりに考えた内容をまとめましたので、何かどこかで参考いただけたなら幸いです。
①数字を量の概念と考える場合
浴槽に水が溜まるのを+、浴槽の水が抜けるのをーと考え、さらに、それら操作を行う時間も考慮します。
そして浴槽に溜まった水の量を考えていくと、無理矢理ではありますが量の視点で考えることができます。
以下の手順で考えていきます。※数字は例です。
①毎分2cm浴槽に水を入れる。
②①の行為を5分行ったならば、浴槽の水が10cm貯まった(+10)ことになります。
①一方、毎分2cm浴槽の水を抜く。
②①の行為を5分行えば、浴槽の水が10cm減る(ー10)ことになります。
では水を抜く作業をマイナスの時間行えばどうなるか?を考えます。
そうすると、
①毎分2cm水を抜く、すなわち−2cmの作業を、
②①−5分行えば、結果的には水の量が10cm増えた(+10cm)となります。
これは数を「量」の概念から考えた場合の、マイナスかけるマイナスがプラスになる事例です。
②数字を位置の概念と考える場合
方角と歩いた距離で考えると分かりやすいと思います。
東向きを+とします。
そうすれば、その反対の西向きはーとなります。
さらに、前に進むことを+とすれば、後ろに下がることはーとなります。
では、西向き(ー向き)に、後ろに下がれば、結果的に+になります。
数字を交えるとこんな感じです。
西向きに(ー)に、5m後ろに下がれば(−5)、結果的には、東(+)に5m(+)となります。
これは数を「位置」や座標として考えた場合の事例です。
おそらくこれが一番分かりやすくイメージしやすいでしょう。
③かけ算を回転の概念として考える場合
最後は少し難易度上がりますが、数直線の概念で考えてみましょう。
例えば−1は左に1マスの場所にあり、それに−1をかけるという行為は、−1を180度回転させることにあたります。
つまり、左に1マスの点を180度回転させると、右に1マスの場所に移ります。
結果、マイナスとマイナスのかけ算はプラスになるということになります。
【考察】視点を変えれば思いもよらぬ結果が見えてくる…かも
マイナスとマイナスをかけたらプラスになる、こんなの日常で使うのか?と疑問でしょう。
もちろん、使う機会はほぼないでしょう笑
ここで注目したいのが、「マイナスとマイナスをかけたらプラス」になるというのが、何を語りかけてきているのか?ということです。
これは歴史的に見ると、数学の視点を変化と考えられます。
つまり、「数字をどの視点から見るか?」視点や数字の捉え方、概念の変化によって「−×−=+」が生まれたということです。
昔は数字を量の概念で扱っていたため、マイナスという概念すらありませんでした。
ですが、数字を位置や座標という視点から見た時に、マイナスが生まれ、そして、マイナスとマイナスのかけ算も生まれたのです。
数学はときに、人間のイメージを超えた論理展開をしていくものだったりします。
これはもしかしたら、ある何かの概念や定義・視点を変えると思いもよらない、新しい発見が生まれる可能性がある。
という何かしらを数学が語りかけてくれているのかもしれません。