どうも、丸田です。
「数学はいつ、どこで、どのように誕生したのだろうか?」と思ったことはありますか?
僕が数学を学んでいく中で、「意味わかんねぇよ!誰がこんなこと考えたんだよ!」と思ったことで数学の歴史を調べ始めました。
すると数学の歴史がめちゃくちゃ面白い!
恥ずかしながら「数学はせいぜい数百年前ぐらいに誕生したんだろう」と思い込んでおりましたが、いろんな本を読んでみてビックリ仰天!
なんと今から2500年以上も前、つまり紀元前にはすでに数学は存在していたのですね!
さらに、人類が数を数える習慣が始まったのは、実に数万年前にまで遡ります。
数学の歴史にはもっともっと奥が深く、私たちの想像を超えたドラマチックでミステリーが存在しているのです。
そう考えると、数千年、数万年の時を超え、今なお存在し続ける数学という学問が、少し神秘に見えてきませんか?
ということで、今回は数学はどのように発展してきたのか。その歴史の流れを解説していきます。
数学の歴史の5つの区分
まず数学の歴史全体像から解説していきます。
数学がどのように変化してきたかを分かりやすくするために、主観ではありますが、大きく5つに分類しました。
- 先史数学時代(数万年前〜紀元前1000年頃)
- 古代数学時代(紀元前1000年〜西暦500年頃)
- 中世数学時代(西暦500年〜1600年頃)
- 近代数学時代(1600年〜1800年頃)
- 現代数学(1800年〜)
ちなみに、分類の基準は数学の文化が変わった時代で分類しました。
先史の数学時代(数万年前〜紀元前1000年頃まで)生活の土台を築くための計算、数字の始まりの時代。
2つ目の、古代数学時代(紀元前1000年〜)はより賢さを求める哲学が始まった時代。
主に、幾何学、方程式が発展していきます。
3つ目の、中世数学時代は数学が一気に花開いた時代で、数学者にとって黄金時代だったと思われます。
4つ目の、近代数学時代は微分積分の発展。テクノロジーが飛躍するきっかけとなりました。
そして、現代数学時代。
この時代は、更なる数学の厳密化、コンピューター科学に応用する数学へと発展。
さらには、宇宙の真理にも届きうる学問へと発展していきました。
これが数学の歴史です。
ではそれぞれの時代をピックアップして、具体的に解説して参ります。
先史数学時代〜数の発明と文明〜(数万年前〜紀元前1000年)
1つ目は、先史数学時代(数万年前〜紀元前1000年頃まで)
今から数万年前から紀元前600年頃に、数学が誕生した起源となります。
数学がなぜ誕生したのか?
それは生き伸びるためでした。
この時代は、文明としてとても不安定な時代で、安定した生活を送るために試行錯誤をしていました。
その中でも特に、
- 作物が育つ周期を把握する
- 作物の収穫量の計算
- 洪水を防ぐ堤防をつくる
これらは非常に重要な仕事だったのです。
当時は、”時間”を測る道具がありません。
そこで大昔の人々は空を見上げ、星の動きをもとに周期を把握しようとしていたのですね。
ちなみに、その時代はまだ数字がなかったため、木や飼った動物の骨に切り込みを入れることで数を数えていたそうです。
このように時間の流れや周期を把握することで、作物の収穫時期を予測していたのですね。
さらに日々の活動に必要な食事を確保するために、育てる作物量を把握するために、計算し始めていきました。
大昔の人々の生活は、水が豊富な川の近くから始まりました。
いわば、一番古い数学の歴史は、人類が生きていくために必要不可欠な
生活の土台を築くためだったのですね。
古代数学時代〜哲学の始まり〜(紀元前1000年〜西暦500年)
生活の基盤が出来上がってくると、人はより考え、賢さを求めるようになります。
これが哲学の始まりだと言われています。
この時代から哲学者と呼ばれる人物が表れ、「万物とは何か?」を中心に議論が始まったと言われています。
哲学と一緒に数学も発展していったのでした。
この時代はヨーロッパを中心に幾何学の研究、そして方程式が発展していきました。
この時代は、タレスが円周角の定理を発見したり、有名な数学者ピタゴラスが三平方の定理を証明したり、アルキメデスが浮力を発見、さらには円の面積、体積を求める画期的な思考法を編み出したのです。
この時代に活躍した数学者はタレス、ピタゴラス、ユークリッド、アルキメデスなどがいます。
僕らが中学生の時に学んだ数学は、だいたいこの時代に発明された数学です。
中世数学〜大数学時代の幕開け〜
中世数学は数学に花開いた時代です。
この時代は、さまざまな数学が発展しました。
例えば、二次方程式、三次方程式、四次方程式、方程式の解の公式、フィボナッチ数列、指数・対数、三角関数、虚数、関数、さらには僕らが当たり前に使っているような数学の知識がずっと発展したのですね。
さらには、今我々が使っている数字の0やマイナスの数、そして足し算、引き算、かけ算などの数式に使われる記号が次々と導入されていき、数式の記法ルールが整ってきた状況でした。
また1300年代のイタリアでは、数学ができる人はお金や地位、名声を手に入れられる時代もありました。
この時代はまさに大数学時代だと言えるでしょう。
この時代に活躍した数学者はフィボナッチ、タルタリア、カルダノ、フェルマー、パスカル、ネイピアなどがいます。
だいたい高校数学1〜2年の時に学ぶ内容です。
近代数学〜テクノロジーを発展させた数学〜
今までの数学はなんだかんだ言っても、頭いい人の知的な趣味。ぐらいな位置付けでした。
悲しいことに、ヨーロッパでも数学は実学とはあまりみなされておらず、「数学を学ぶぐらいなら他のこと学べ!」と言われていたぐらい数学の立ち位置は低かったのですね。
しかし、従来の数学文化を一新し、新しい数学理論が生まれました。
それが微分積分です。
おそらく誰もが一度は聞いたことがあるであろう、「微分積分」。
この理論によって数学、そして文明も新たな時代を迎えるのでした。
微分積分によって何が起こったのか?
それは数学が実社会と密接な関係を持ち始めたことです。
しかし、微分積分の登場によって主に
- 人口予測
- 考古学
- 天気予報
- 医療・薬の開発
など、数学の技術が人々の生活に必要不可欠なものとなってきたのです。
人間の技術力が飛躍的に発展していくことになったわけです。
この技術の根底を支えたのが微分積分をはじめとする数学理論です。
2人の天才、ニュートンとライプニッツが微分積分の理論を構築し、ベルヌーイ家が扱いやすく理論を展開することで、テクノロジーにも活用できる実用的な数学が編み出されていったのです。
また他方では、ガウスという数学者が複素数のグラフ化に成功したり、方程式の解に関する性質を発見したことにより、少しづつ数学は抽象的になっていきます。
この時代に活躍した数学者はニュートン、ライプニッツ、ベルヌーイ、オイラー、ラプラス、ガウス、アーベル、ガロア、リーマンなどがいます。
だいたい高校〜大学数学の時に学ぶ内容です。
現代数学〜宇宙に届きうる抽象数学の始まり〜
ここまで順調に進んできた数学の発展でしたが、実はまだ厳密さが足りていない部分もありました。
まだ残る曖昧さに疑問を呈した数学者たちが表れ始めます。
これが現代数学が始まるキッカケとなりました。
その中でも大きな議論を生み出したのが、微分積分学で発展した理論の1つに「無限」があります。
例えば、1を無限に0に近づけると0になる。という議論があったのですが、当時は感覚的だったのですね。
でもこれって厳密にはどういうこと?本当に正しいの?と疑問を感じた数学者たちが現れました。
この今までの数学をより厳密化しようと試みた文化から現代数学が幕を開けるのでした。
これまで数千年にわたり構築されてきた、今までの数学を厳密化することに命をかけた数学者ヒルベルトを先頭に、大きなプロジェクトが始まりました。
それを「ヒルベルトプログラム」と言います。
こうして数学はかなり抽象度を高めていくこととなります。
ヒルベルトとIQ300の大天才ノイマンは数学の基礎を厳密に構築することを考えました。
結果としてはこのプログラムは失敗に終わってしまうのですが、これまでの数学の土台がキッチリ整った数学になったのです。
さらに現代数学は大きく2つの方向へ分岐しました。
純数学と応用数学。
純数学は抽象度が高く、超厳密化された数学へ。
応用数学はコンピューターサイエンスの土台となりました。
2つの分岐はしましたが、共通しているのは宇宙に届きうる学問に成り上がったということです。
純数学の抽象度は宇宙の形の解明に近づいている一方、応用数学もロケット開発や新しいゲノム、量子力学、人工知能の発展など、今なお世界の神秘に近づこうとしているのです。
この時代に活躍した数学者はコーシー、ヒルベルト、ゲーデル、ワイエルシュトラス、カントール、デデキント、ラマヌジャン、ポアンカレ、ルベーグ、チューリングなどがいます。
だいたい大学以上の専門数学の内容です。
数学の歴史のまとめ
今回は数学の歴史について解説しました。
数学の歴史の始まりは、まさに生きるために発明されたものでした。
そこから、日常をより便利にするために先人たちが新たな理論を構築して今に至るのです。
ということは、裏を返せば、これからの未来をどのように変化させていくのか?
それは僕らが数学とどう向き合い、どのように関わっていくのか。
によるのかもしれませんね。