どうも、マルタです。
今回は数学界の華麗なる一族、ベルヌーイ家をご紹介します。
この一族は3世代に渡って天才数学者が活躍するという、まさに数学一家が歴史に存在しました。
その名も「ベルヌーイ家」。
彼らは数学の歴史においても例を見ない、数学一族です。
さらに彼らの業績は凄まじく、一言で言えば「微分積分」をより発展させました。
今回は黄金のように輝かしいベルヌーイ一族の歴史物語と、彼らが残した業績をご紹介します。
ベルヌーイ一族の主要人物
ベルヌーイ一族はニコラスから始まります。
3世代のうちに8人の天才数学者を生み出したという、ヤバい一族です。
その8名の名前は、
- ヤコブ・ベルヌーイ
- ヨハン・ベルヌーイ
- ニコラウス1世・ベルヌーイ(ニコラウス・ベルヌーイ/画家・議員の息子)
- ニコラウス2世・ベルヌーイ
- ダニエル・ベルヌーイ
- ヨハン2世・ベルヌーイ
- ヨハン3世・ベルヌーイ
- ヤコブ2世・ベルヌーイ
とんでもねぇ、数学一家だ…。
彼らが編み出した数学の業績は数多くありますが、その中でも特に歴史に名を残した3名をご紹介します。
ヤコブ・ベルヌーイ
ヤコブ・ベルヌーイ (1654-1705)。
スイスのバーゼルで生まれた。確率論や解析学における先駆者。
「ベルヌーイ数」と呼ばれる数列を導入。
「大数の法則」の形成に寄与。
ヨハン・ベルヌーイ
ヤコブ・ベルヌーイの弟。兄とは13歳差で険悪の仲。
微積分学に貢献。
微分積分学の先駆者の一人。
18世紀最大の数学者レオンハルト・オイラーの師匠。
流体力学や変分法に寄与。
3人の息子を授かるが、その3人とも優秀な数学者である。
ヨハンの息子、ダニエル・ベルヌーイ
ヨハン・ベルヌーイの息子。
流体力学の分野において特に有名。
「ベルヌーイの原理」として知られる流体力学の法則を発見。
確率論や統計学にも貢献。アカデミー賞を受賞する。
ベルヌーイ一族の歴史
宗教戦争でオランダからスイスへ
当時は宗教戦争が起こっており、ヨーロッパは荒廃しておりました。
そんな中、ニコラス・ベルヌーイという人物はオランダからスイスのバーゼルへ移住。こうしてなんとか戦争の影響から免れました。
ニコラス・ベルヌーイは全員合わせて11人の子供に恵まれますが、その中でも一番最初に生まれた「ヤコブ」がベルヌーイの数学物語を始めるのでした。
33歳で数学の才能を開花させたヤコブ
ニコラスの息子、ヤコブ・ベルヌーイは1654年にスイスのバーゼルで生まれました。
ヤコブはもともと神学を学んでいました。
しかし、33歳の頃、当時の数学を盛り上げていたライプニッツの論文「新しい数学」を読み、感化され数学の道を歩むことになりました。
当時はニュートンやライプニッツによる微積分学の発展で、科学と数学が急速に進展していた時期で、新たな数学文化が生まれていました。
ライプニッツがブイブイ言わせてる時代ですね。
見事ヤコブの数学の才能は花開き、現代科学を支える確率論や微分方程式の分野で画期的な業績を残しました。
さらにヤコブは数学界でも一躍注目を浴び、スイスのバーゼル大学に招かれ、数学教授として活躍するのでした。
兄ヤコブに影響された弟ヨハン
兄の活躍を目の当たりに、数学者を目指した男がいました。
その名は「ヨハン・ベルヌーイ」。ヤコブの弟です。
彼もまた著名な数学者として歴史に名を残しました。
ヨハンは兄の影響を受けて数学の道に進み、特に微積分学の分野で独自の貢献をしました。
さらに、ヨハンは18世紀最大の数学者レオンハルト・オイラーの師でもありました。
ちなみにオイラーは数学界の中でもレジェンド扱いされるほどに偉大な数学者になります。
他にもロピタルという人物と交流を持ち、
ざっくり言えばヨハンは
- 数学の才能をいかんなく発揮
- のちの大数学者となるオイラーを育てる
- ロピタルと共同研究の末、数学教育に大きく貢献
少年ジャンプでいう、まさに主人公の師匠レベルで完璧なキャリアではないでしょうか。
ただし、、、性格の悪さを除いては。
ヨハンの性格の悪さと言えば、妬み、嫉み、嫉妬、憎悪、承認欲求と。
負のエネルギーの塊と言っても過言ではありません。
兄ヨハンとは犬猿の仲であり、「数学の問題をどっちが先に解いたか?」を競い合ったり、数学における「等周問題」について揉めるといった数学を通じての兄弟喧嘩がおよそ4年続いたそうです。
数学をケンカの道具にすんなw
とは言え、やっぱり天才通しのケンカ。ケンカをしながらも少しずつ数学への新たな発見をしていったと言われています。
兄ヤコブが亡くなってからは、弟ヨハンがバーゼル大学で数学の教授を務めることになりました。
アカデミー賞を受賞した栄誉ある数学者、ダニエル・ベルヌーイ
性格を除いて全てが完璧な才能の持ち主ヨハンの息子「ダニエル・ベルヌーイ」もまた優秀な数学者です。
彼は主に流体力学や統計学に重要な貢献し、「ベルヌーイの原理」として知られる流体力学の法則を提唱。数学と科学の発展に大きく寄与しました。
ちなみに「ベルヌーイの定理」は後に航空工学の基礎となっております。
すごすぎる…
しかもダニエルはアカデミー賞も受賞しており、とてもとても優秀だったのですね。
ただ、毒親であるヨハンによって研究成果を盗まれそうになってしまいます。
1734年にはパリアカデミーの大賞を見事勝ち取るダニエルでしたが、父ヨハンとの同時受賞となり、ヨハンの自尊心に傷がつきました。
その結果、ヨハンはダニエルを実家への出入り禁止を命じたのでした。
さらにダニエルが「流体力学」を1738年に出版したのですが、父ヨハンはその内容をマネして出版物を発表します。
1739年でしたが、日付を1732年として出版し、なんとヨハンはダニエルよりも早く私が思いついたんだ!と成果を奪ってしまったのでした。
それぐらい性格やべーヨハンを父に持ちながらも、名を歴史に残しました。
以上がベルヌーイ一族の歴史です。
3世代に渡って数学へ貢献した数学一族、まさに黄金世代でしょう。
さてベルヌーイ一族はどんな業績を残したのか。具体的に見ていきましょう。
ベルヌーイ一族の残した業績
【ヤコブの業績①】ベルヌーイ試行
ベルヌーイ試行とは、何かを行ったときに起こる結果が2つの場合の試行を「ベルヌーイ試行」といいます。
具体的には、「コインを投げた結果は表か裏か」、「ビジネスで成功するか失敗するか」、「くじ引きでアタリか、ハズレか」など結果が2つしかない場合の確率試行実験がベルヌーイ試行になります。
このような世の中に起こる事象をシンプルにすることで、確率論を発展させました。
【ヤコブの業績②】二項分布
このベルヌーイ試行を何度も行って、成功する確率の確率分布を「二項分布」といいます。
つまり、2つの確率が起こる試行を何度も繰り返すことで、おおよその確率を導き出そうとするのが二項分布なのですね。
例えば、コインを投げるときに、表が出るか裏が出るかは、それぞれ1/2ずつですよね。
次に「この実験を10回繰り返して、そのうち3回表になる確率はどれぐらいだろうか?」みたいなことを考えるのが二項分布です。
実際に実験してみるとこのような結果になります。
このベルヌーイ試行を用いた二項分布は、現代の医学、生物学、マーケティング、金融など多くの分野で応用されており、たとえば薬の効果の確率的な評価、製品の不良率の推定、投票行動の分析などに用いられます。
二項分布は、確率モデルの理解において基本的であり、統計的な推論や意思決定のプロセスにおいて重要な役割を果たしているのです。
【ヨハンの業績①】カテナリー曲線の発見
カテナリー曲線(catenary curve)は、物理学と数学において有名な曲線です。
この曲線は、自由にぶら下がった均一な柔軟なチェーンやロープが、重力の影響下で自然に取る形状に由来しています。
ちなみに、カテナリーという名前はラテン語の「catena」(チェーン)から来ています。
カテナリー曲線の曲線式は以下で表現されます。
特に建築学や工学においても重要な応用を持っており、アーチや橋梁の設計において、カテナリー曲線は構造的な安定性と美を表現しています。
例えば、有名なセントルイスのゲートウェイ・アーチはカテナリー曲線に基づいて設計されています。
この曲線は、自然界の美しさと数学的なエレガンスを象徴するものであり、実世界の問題解決における数学の実用的な応用を示す良い例です。
【ヨハンの業績②】平均値の定理(ロピタルの定理)
この定理の成り立ちは少し特殊で、発想はヨハン・ベルヌーイなのですが、この定理をロピタルに売ったことで、ロピタルの定理という名前が名付けられました。
ロピタルの定理は、微分積分学におけるとても重要な役割を持っており、特に極限値を求める際に用いられます。
ロピタルの定理を活用することで、極限の値を比較的に楽に求められるようになるのです。
【ダニエルの業績】ベルヌーイの定理
ベルヌーイの定理とは、流体に流れるエネルギー保存則のことです。
具体的には、航空機の翼の設計に応用されています。
ベルヌーイの定理は流体の圧力をP [Pa]、密度をρ[kg/m3]、流速をV[m/s]、高さをh[m]、重力加速度をg[m/s2] とすると、以下の式で表されます。
ダニエル・ベルヌーイは他にもさまざまな定理を発見し、アカデミー賞を受賞しました。
まとめ〜ベルヌーイ一族はDNAレベルで数学者だった〜
今回は、数学界の華麗なる一族ベルヌーイの歴史と業績を解説しました。
3世代に渡り、8名の優秀な数学者が誕生し、その中でもヨハン、ヤコブ、ダニエルは数学史に名を残したほどの業績を残しました。
ベルヌーイ家の業績は、数学的思考の発展に大きな影響を与え、後世の学者たちに多大な影響を与え続けています。
ベルヌーイ一族の歴史を振り返ることで、数学という学問がいかに家族を通じて受け継がれ、発展してきたかを理解することができます。
彼らの物語は、数学への情熱と才能が世代を超えて受け継がれることの素晴らしい例と言えるでしょう。