どうも丸田です。
この記事では「プラトン立体」について解説していきます。
プラトン立体とは、その名の通りプラトンが定義した立体です。
当時のプラトンは、完全なる真理を追求するための哲学を研究していました。
そんな中、ピタゴラスが見出した幾何学に関する知識に触れることで、プラトンも幾何学へ関心を持つことに。
「数や幾何学的図形の中には、宇宙の真理を表す意味が隠されている」と考えました。
その結果、特に美しい性質を持つ立体を「プラトン立体」としたのですね。

別名「宇宙立体」とも呼ばれています。
では一体プラトン立体とは具体的にどのような概念なのでしょうか。
その神秘に迫っていきましょう。
プラトンについての記事はこちらで解説しているので、ぜひご参考ください
哲学者プラトンとは?功績やアカデメイアについて
プラトン立体5つの図形
プラトン立体は5つあります。
- 正四面体(テトラヘドロン)
- 正六面体(キューブ)
- 正八面体(オクタへドロン)
- 正十二面体(ドデカへドロン)
- 正二十面体(イコサへドロン)


正式には「正多面体」と呼ばれるのですが、これら立体図形の特徴として以下の2つがあります。
- 各面がすべて同じ正多角形であり、
- 各頂点において出会う正多角形の個数が等しい、という条件を満たす立体のこと
超ざっっっっくりいえば、超美しい法則を持った図形ということです(専門家から怒られそうw)
「この美しさが宇宙や神が宿るのでは?」というプラトンの思想に紐づいているわけですね。
立体図形について簡単に解説していきます。
正四面体(テトラヘドロン)


正四面体(テトラへドロン)と呼ばれる図形は、正三角形4つで構成されている立体図形です。
ピラミッドに似た形となっています。
正六面体(キューブ)


正六面体(キューブ)は正四角形6つで構成されている立体図形です。
正八面体(オクタへドロン)


正八面体(オクタへドロン)は、正三角形8つで構成された立体図形です。
ダイヤモンドみたいな形ですね。
正十二面体(ドデカへドロン)


正十二面体(ドデカへドロン)は、正五角形12個で作成された立体図形です。
ポケモンのゴローニャの岩みたいな形です(←違う)
正二十面体(イコサへドロン)


正二十面体は、正三角形20個で構成された立体図形です。
形がサッカーボールに似ていますよね。
ちなみに、サッカーボールは「切頂二十面体」と言われる形をしております。
「切頂二十面体」とは、「半正多面体(semi-regular polyhedron)」と呼ばれる立体の一種で、正二十面体の各頂点を切り落とした立体なのです。
超ザックリ言ってしまえば、正二十面体をベースにサッカーボールはできたってことですね。
宇宙を構成する四元素
ここまで5つのプラトン立体をご紹介しました。


この5つの立体は宇宙の成り立ちに関係しているとプラトンは考えていました。
当時は宇宙の構成する元素は「火」、「空気」「水」「土」の4つであると提唱されていました。
そこでプラトンは以下のように考えたのです。
正四面体は「火」を構成する要素、
正六面体は「土」を構成する要素、
正八面体は「空気」を構成する要素、
正二十面体は「水」を構成する要素と、それぞれ関連付けました。
このように考えることで、幾何学は宇宙を形作っているのだと提唱しました。
【補足】なぜ宇宙を構成するのは、「火」、「空気」「水」「土」
なぜ宇宙を構成する要素が「火」、「空気」、「水」、「土」なのかということですが、つまりは生命体が生きるために必要最低限の要素だと考えられたからです。
例えば、海の水が太陽の熱(=火)によって蒸発し、雨になります。
やがて、その雨が土に染み込むことで、作物や生命体が育つ。
その作物や生命体は空気があるから生きていけるということになります。


つまり、この大自然は海、太陽、空、大地の4つからなり、それが「水」、「火」、「空気」、「土」の四つの要素と考えられたわけですね。
宇宙に満ちているエーテル


「あれ?正十二面体は?」と思うかもしれません。
実は正十二面体は5つのプラトン立体の中でも特別とされており、宇宙を構成する神秘の物質「エーテル」だと考えられました。
正十二面体が特別な理由は、正十二面体だけは一辺が正五角形で構成されているからです。
古代ギリシャでは、正五角形は美しいとされていました。
ちなみに、数学者ピタゴラスが開設した宗教団体のエンブレムは五角形です。





正十二面体をエーテルに関連付けたのは、プラトンの弟子「アリストテレス」でした。
だからこそ、五角形は特別扱いされており、その五角形から成る正十二面体はさらに神秘だと。
その結果、正十二面体は宇宙の神秘元素エーテルを構成すると考えられたわけですね。
エーテルとは何か?


エーテルは非常に抽象的な概念で、語源の意味は「常に輝き続けるもの」だそうです。
三平方の定理で有名なピタゴラス教団の人々は、人が死んだ後に魂がたどりつく永遠の汚れのない領域だと考えていました。



イメージ、天国や神のようなイメージでしょうか。
つまりは、何かわからないが宇宙や天界を満たしている神秘の物質が存在し、その元がエーテルだと考えられていたわけですね。
エーテルは別名プラーナとも言われたり、スピリチュアル的な要素でもあります。
プラトン立体についてのまとめ
今回はプラトンが提唱した「プラトン立体」について解説しました。
プラトン立体は5つあり、正四面体は「火」、正六面体は「土」、正八面体は「空気」、正二十面体は「水」をそれぞれ関連付けられました。
また正十二面体は特別とされており、「エーテル」だと考えられました。
このようにプラトンは幾何学は宇宙を構成しているという理論を唱えたのでした。
プラトンについての記事はこちらで解説しているので、ぜひご参考ください。
哲学者プラトンとは?功績やアカデメイアについて